無題
非凡な人が自分は凡人だと言って嘆いている
なら、本当に本当の本当に凡人なわたしはどうすればいいだろうか
だれかのとくべつになりたかった
きみの神様になりたかった
あなたの天使になりたかった
今日も泣きながら眠るもうひとりのわたしのヒーローになりたかった
昼休みをトイレで過ごすわたしの分身の光になりたかった
あなたが、明日も生きる理由になりたかった
わたしはなにもない
本当になにもない
なにもしていない
なにかをしようとして諦めてもいない
18年生きてきてしてきたことは、願望をこじらせて勝手に屈折していろんなものを落っことしてけっつまずいて被害妄想をして心の中で騒ぎ立てただけ
わたしは、だめでした
今日もだめでした
きっと明日もだめでしょう
励まされたかったんじゃなく、励ましたかった
救われたかったんじゃなく、救いたかった
抱きしめられたかったんじゃなく、抱きしめたかった
生きていてもいいと、わたしを通じて思ってほしかった
おこがましくてもただのエゴでも自己満足でも、それでもわたしは救世主になりたかった
自らの生も肯定できない人間には荷が重かったね
世界を変える力も君を抱きしめる力もなかった凡人の搾りかすが今日も生きています
月経が止まっても、毎晩蕁麻疹が出ても、指の歯型がなかなか消えなくても生きています
地面を踏みます息を吸います
それで、どうにか勘弁してください