映画「少女邂逅」に捧ぐ
⚠︎ネタバレがあります
文体が普段と違います、本当は枝監督のDMに置いてくるつもりでした
でも勇気がなかったのでやっぱりここに置いていきます
少女邂逅を観ました
ずっと観たくて、観たくて観たくて1度劇場で見るために東京まで行こうとしましたが、どうしても外せない用事があって(まあ模試なんですが)行けませんでした
でも今日、観ました
こんな田舎のゲオに置いてありました
新作のところに1つだけ置いてありました
ほんとうは、リバーズ・エッジを借りに行ったのですが、びっくりしてうれしくてうれしくてすぐ借りました
あ、リバーズ・エッジも借りました
痛かったです
ミユリがリストカットをしようとして、何度もしようとして、でもカッターを手首に押し当てられないところ
わたしも何度もそうなったのでよくわかりました
ミユリは最後にリストカットできましたが、わたしはいまだにできません
こわいからです
痛いとわかっているからです
もし本当に死んでしまったらどうしよう、と思うからです
わたしも生きたいからです
紬がミユリを助けてくれるところ
連れ出してくれるところ
ずっとそばにいると言ってくれるところ
うらやましくてうらやましくてしょうがなかったです
わたしも、毎日想像していました
都会からかわいい転校生がやってきて、なんの理由もなくわたしを気に入ってくれて、唯一無二の親友になってくれる都合のいい話を
少女邂逅は都合のいい話なんかじゃないけど
痛くて鋭くて切なくてうつくしい話だけど
わたしも紬がほしいと思いました
ミユリが、紬が、何か言うたびに、目線を向ける度に、指先を動かす度に、不安定であやうくて、いまにも切れてしまいそうな細い糸みたいに、ゆらゆら揺れる存在が綺麗でした
じぶんだけが痛いものだと思って、他人がおなじ痛みを抱えてるなんて、普段はこれぽっちも思い出せません
強いように見える人が本当は強くないなんて、簡単には信じられません
でも、そのひとつひとつに気づきたいと思いました
ミユリが、紬を捨ててじぶんの力で手に入れた広い世界
でもずっと離れないのだろう、と思いました
こびりついて離れないんだろうと思います
あの子の、きみ、って言って笑う声とか計画した沖縄旅行とか、一緒に飲んだ世界一おいしいのみものとか
これまでもこれからもずっと紬がそばにいる
それってミユリにとって祈りなのか呪いなのか、はたまたほかの何かなのか
わたしにはぜんぜんわからないけど
それでも、24億分の1の確率で親友と出会えて、彼女がずっとそばにいてくれる
それはすごく、ひとりぼっちのわたしにとっては甘美な響きです
この映画に出会えて、この歳で出会えてよかったです